神々の恋地上に降臨したニニギノミコトは、安住の地を求めて、西都に辿り着いた。 ある日、ニニギノミコトは逢初川(あいそめがわ)に水を汲みに来た美しい乙女コノハナサクヤヒメと出会い、 ひと目で心を捕らえられてしまう。 ニニギノミコトはコノハナサクヤヒメの父、オオヤマヅミノカミに 妻にしたいと申し込みました。喜んだオオヤマヅミノカミは結婚を認め、 沢山の贈り物を送りました。 コノハナサクヤヒメを迎えたニニギノミコトは幸せいっぱいでしたが、 贈り物と一緒に姉のイワナガヒメも来ていました。 木の花のようにサヤサヤと美しいコノハナサクヤヒメ。 反対に姉のイワナガヒメはというと、岩のようにゴツゴツとしたみにくい顔です。 ニニギノミコトはひと目見るなりこわくなってしまいました。 ニニギノミコトは、イワナガヒメをオオヤマヅミの元へ返してしまいました。 しかし、オオヤマヅミノカミには考えがあったのです。 二人の娘を嫁がせた意味は、コノハナサクヤヒメを妻にすれば 木の花の咲くように栄え、イワナガヒメを妻にすれば岩のように ビクともしない永遠の命を持つことができたのです。 さて、結婚したニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの幸せは一夜の契りだけでした。 夜が明けるとニニギノミコトは反乱部族の討伐に旅立っていきました。 数カ月が過ぎ、無事帰還したニニギノミコトは、妻のもとに。 悦びに顔を輝かせ、懐妊を告げるコノハナサクヤヒメ。 しかし、一夜限りの逢瀬と長い不在の後の思いがけない知らせに、 疑惑と嫉妬で胸を苛まれるニニギノミコトは、 どうしても妻の貞節を疑わずにはいられませんでした。 疑われた悲しみと怒りを抱えて産屋に入ったコノハナサクヤヒメは、 出入り口を塞いで火を放ちました。 「もしも生まれてくる子が天つ神ニニギノミコトの子でなければ、 私も子どもも焼け死ぬでしょう」自分と子どもの命をかけた潔白の証でした。 燃え盛る炎の中で、ホアカリノミコト(海幸彦)、ホスセリノミコト、 ヒコホホデミノミコト(山幸彦)と呼ばれる三人の皇子が無事に誕生しました。 山幸彦と綿津美(わたつみ)の神(海神)の娘、トヨタマヒメの孫が カムヤマトイワレヒコノミコト(神武天皇)と伝えられています。 都萬神社 石貫神社 無戸室跡 大山祗神社(その1、その2) 鵜戸神宮 |